明治26年(1893)創業の老舗鞄メーカー。私が知っている日本最古の鞄メーカーは、明治7年(1874)創業の銀座タニザワ、文政7年(1824)創業のエンドー鞄株式会社くらいなので、サンコー鞄株式会社も相当古くから鞄製造業を始めていることが分かります。
一言に「鞄(かばん)」といっても、ポーチ、ボストンバッグ、トランクケースと幅広い種類がありますが、サンコー鞄株式会社は私たち海外旅行者のためのスーツケース製造販売を主軸としているメーカーです。スーツケースのことを知り尽くしたプロフェッショナル集団が作るスーツケースなので、高い信頼性と安心感を持って購入することができます。
1960年代には、現代ハードスーツケースの原型となる「アルミフレームとABS樹脂ボディ」のスーツケース製造を開始。また、日本人の体型に合わせて縦型に4輪キャスターを取り付けるなど、私たちが現在目にしているスーツケースモデルのパイオニア的な役割を果たしています。日本で初めてTSAロックシステムを採用したのもサンコー鞄株式会社で、まさに日本のスーツケース業界を牽引してきた歴史があります。
サンコー鞄株式会社のポリシーとして、「宣伝広告費にお金を使と製品価格に跳ね返ってしまうので極力行わない」といった方針があり、職人気質な面も感じさせられます。好感が持てますよね、こういうスタイルは。
サンコー鞄株式会社は、2022年11月に惜しまれつつ廃業となりました。事業譲渡という形ではありませんが、老舗カバンメーカーのマツモトが販売を引き継ぐようです。
これもコロナ禍の影響でしょうか。今後の動向もしばらく見守っていきたいと思います。
ブランド | サンコー |
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会社 | サンコー鞄株式会社 |
国 | 日本 |
創業・設立 | 1893年 |
タイプ | |
予算目安 | 43,000円 |
サンコー製スーツケースの特徴や、選び方のポイントなどについて。
スーツケースの善し悪しを決める指標には、丈夫なキャスター、収納力、本体の軽量性、使い心地、耐久性、堅牢性、デザイン、価格など、様々な要素があります。サンコーのスーツケースはそれを高次元で実現しており、スーツケース選びで失敗したくない人にピッタリの機能性を備えています。さすがスーツケースメーカーの老舗だけあって、品質に関してはかなり研究し尽されていると感じます。特に「スーパーライト MGC シリーズ」は超軽量かつ耐久性もあり、HINOMOTO製キャスター、TSAロック、抗菌加工された多段階式キャリーハンドル、3万円で購入できる手軽さと、非の打ちどころのない機能性を備えています。
ハードスーツケースの価格帯が2~3万円であるのに対し、ソフトスーツケースは1~2万円で購入できます。ハードタイプ・ソフトタイプでここまで明確に価格差が生じているメーカーは珍しい。中でも「フィノキシー(finoxy)」シリーズは、No.1の人気を誇るソフトスーツケースです。(2022年の販売引継ぎを経て、現在は取り扱っていないようです)
日本ではまだそれほど普及が進んでいないOKOBANを、日本で初めて導入したのがサンコーです。OKOBANとは、TSAロックで有名なTravel Sentry社が管理する遺失物発見連絡サービスのことです。製品を特定する12桁の固有ID(UID)を予めOKOBAN専用サイトに登録しておけば、ロストバゲージの際にもスーツケースが所有者の所に戻ってくる可能性を高めることができます。
サンコーのスーツケースにはハードタイプ、ソフトタイプがあります。ハードタイプでは、軽量性をとことん追求した「スーパーライト MGC シリーズ」が人気です。ソフトタイプでは、1万円台で購入できる軽量モデル「フィノキシー ZERO」が人気ですが、現在は取り扱っていないようです。