NASA(アメリカ航空宇宙局)の標本格納器にも採用されたことで有名なアメリカのスーツケースブランド。(※現在はエース株式会社のブランドへ移行)
1969年のアポロ計画では、ゼロハリバートン製ケースの優れた密閉性・強度・耐久性に注目したNASAが、月の石や砂を持ち帰るための標本格納器(月面採取標本格納器)の製造を依頼しています。さらにすごいのが、NASAに納品した月面採取標本格納器は、通常製品の内部を少し改造しただけというから驚きです。
片手で持ち歩ける携行用鞄「アタッシュケース」の製造販売から始まったゼロハリバートン。当初からアルミニウム合金をボディ素材に採用しており、強度・耐久性に優れたアタッシュケースを数々製造してきました。以降、アルミニウム合金はゼロハリバートンの密閉性・強度・耐久性を語る代名詞のようにもなっています。2008年には従来のアルミニウム合金に加え、合成樹脂のポリカーボネート製スーツケースを発表しています。
またブランドイメージともいえる「ダブルリブ」加工は、1946年の誕生以来、ゼロハリバートン製スーツケースやアタッシュケースに刻まれ続けています。
2006年、ゼロハリバートンは日本の鞄製造会社「エース株式会社」に買収され、同社ブランドに移行しました。
Geo Aluminum 3.0
ブランド | ゼロハリバートン |
---|---|
会社 | ZERO HALLIBURTON |
国 | アメリカ |
創業 | 1938年 |
タイプ | ![]() ![]() |
予算目安 | 130,000円 |
ゼロハリバートン製スーツケースの特徴や、選び方のポイントなどについて。
ゼロハリバートンのスーツケース・アタッシュケースには、「ダブルリブ」と呼ばれる2本線のプレスラインが加工されています。これは「リブ構造」と呼ばれる凹凸を作ることで、滑らかな表面の時よりもボディ強度を高めてくれるという性質があります。
リブ構造はリモワやサムソナイトなど他社製スーツケースでも積極的に取り入れられている加工方式で、各社それぞれに特徴的デザインのリブ構造を見ることができます。ゼロハリバートンのダブルリブが誕生したのは1946年の終戦間もない頃ですが、それ以降、ゼロハリバートン製のスーツケース・アタッシュケースにはこのダブルリブが踏襲されています。
ゼロハリバートンは伝統的にアルミニウム合金を用いてきたことで有名です。1938年の創業以来、ゼロハリバートンのアルミニウム合金製ケースには、その信頼性を語る数々のエピソードがあります。NASAに採用されたのは先述の通りです。その他にも、ハイジャック犯によって人質解放後に飛行機が爆破されてしまった時にも、ゼロハリバートン製のケースは中身が全くの無傷だったなど、その密閉性・強度・耐久性を語るエピソードは数多くあります。2008年には従来のアルミニウム合金に加え、合成樹脂のポリカーボネートを新たなボディ素材として採用しています。この辺の素材ラインナップはリモワと類似するものがあります。
ゼロハリバートン製品は、製品によって異なる保証制度が設けられていますが、いずれも保証期間が長い傾向にあるので安心です。
保証内容としては製造上の不具合についての無償修理になるので、通常使用によるキャスター部分の摩耗や、航空会社の運搬中による損傷は保証対象外となります。
高級志向が強く、平均的なスーツケース価格よりも高い印象があります。ポリカーボネート製スーツケースでも8万円前後、アルミニウム合金製のものは軽く10万円も超えてくるので、購入に躊躇される方も居るかもしれません。
ゼロハリバートンのスーツケースには、ハードタイプとソフトタイプがあります。ゼロハリバートンといえばアルミニウム合金のハードスーツケースが人気ですが、近年ではポリカーボネート+ABS樹脂の軽量素材を用いたモデルにも力を入れている印象です。アルミニウム合金製では、ダブルリブに3次元的な折り曲げを加えた「Geo Aluminum 3.0」シリーズ。ポリカーボネート製では、伝統的なダブルリブが見られる「ZRM」シリーズ。ほとんどの製品がハードタイプなので、ソフトタイプは割愛させて頂きます。