OKOBANとは、TSAロックで有名なTravel Sentry社が管理する遺失物発見連絡サービスのことです。OKOBANは世界中で普及しており、2,800もの空港で利用され、世界最大の遺失物事務所のネットワークとリンクしています。
空港会社に手荷物を預けても、1ヶ月に273万個もの手荷物はロストバゲージ(紛失)の被害に遭っているといわれています。さらにその中で5.5万個は所有者の元へは戻らず完全紛失しています。OKOBANの目的はこれらロストバゲージによる手荷物紛失を減らし、手荷物がきちんと所有者の元に届くようにサポートすることを目指しています。
所有者がスーツケースをロストバゲージ(紛失)しても、スーツケース発見者がスーツケースに記されているUIDコードをOKOBANサイトで照会(入力)すれば、所有者の元にEメール連絡が届くという仕組みです。
ロストバゲージは手荷物を預ける空港内で起こります。航空会社の運搬手違いなどにより運悪くロストバゲージに遭遇してしまっても、空港職員がスーツケースに記されているUIDコードを照会すれば所有者に連絡が入るため、スーツケースが手元に戻ってくる可能性を高めてくれます。
また、空港以外の場所でスーツケースを紛失してしまっても、親切な遺失物発見者がUIDコードを確認してWEBサイトに照会すれば、所有者に遺失物発見の連絡が届きます。
スーツケース発見者の善意に頼る部分も大きいシステムですが、スーツケースを失って途方に暮れている所有者を手助けする世界共通の遺失物発見連絡サービスとして広まることが期待されています。
OKOBAN対応のスーツケースには以下のようなタグが付いており、スーツケースを特定する12桁のUIDコード(固有ID)が割り振られています。このUIDコードにより所有者を特定します。
UIDコードの組み合わせは10億通り以上にのぼるため、所有者1人1人を紐づける固有IDとして利用できるようになっています。UIDコードは12桁の英数字からなっています。
遺失物発見者は、スーツケースに記載されているUIDコードをOKOBANサイト上で照会することで所有者にEメール通知が届き、相互に連絡を取り合うことができるようになります。
OKOBAN対応のスーツケースを購入しても、私たちがOKOBANサイトで所有者情報(住所・連絡先)を登録しなければ意味がありません。登録方法自体は簡単で、以下のような手順を踏みます。
OKOBANは世界中で普及しており、2,800もの空港で利用されています。日本ではまだ全てのスーツケースに導入されるほど普及はしていませんが、老舗鞄メーカーのサンコー(SUNCO)が日本で初めてOKOBANを導入したパイオニア企業となっています。
そのため、かつてサンコーのスーツケースにはOKOBANが搭載されているモデルが存在しましたが、サンコー鞄は2022年11月に廃業となってしまい、OKOBAN搭載のスーツケースも見られなくなりました。現在は別会社が事業を引き継いでいますが、OKOBAN搭載の確認は取れていません。
OKOBAN対応の南京錠も販売されていましたが、現在こちらも確認できていません。