ドイツ生まれの老舗スーツケースブランド。1919年、ドイツの古都ニュールンブルグ近くのファースで創業。創業者のMR.BERLIN/MR.MALERとMR.SCHNEIDERの3名の頭文字をとって「BERMAS」と名づけられました。
創業当初は革製のスーツケースを製造していたといいます。現代ではポリカーボネート(合成樹脂)やアルミニウム合金、ナイロンといった様々な工業用素材が開発されていますが、創業当初の革製スーツケースは一体どんなものだったのか個人的に興味があります。
アトランタオリンピック(1996年)では、ドイツチームの公式スーツケースに採用されるなど、信頼性と品質の高さを窺い知ることができます。
現在は日本の衣川産業株式会社がブランド取得しています。衣川産業株式会社が本拠とする兵庫県豊岡市は、国内有数の鞄生産地として有名です(豊岡産)。
ブランド | バーマス |
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会社 | BERMAS |
国 | ドイツ |
創業・設立 | 1919年 |
タイプ | |
予算目安 | 32,000円 |
バーマス製スーツケースの特徴や、選び方のポイントなどについて。
バーマスのスーツケースには、縦に2本のプレスライン(平行線)が施されています。いわゆるリブ構造というもので、平坦なボディ表面に起伏のあるプレスラインを施すことで歪みや外部衝撃に対する耐久性を高めています。2本のプレスラインについては、アメリカのゼロハリバートン製スーツケースにも同様の凹凸が見受けられますね。人気シリーズ「ヘリテージ」「プレステージ」では、この2本ラインに加えて細かなリブが縦に複数プレスされており、耐久性をさらに向上させる構造が形成されています。
バーマスのスーツケースにはモデルが幾つかありますが、どの製品にもポリカーボネート(合成樹脂)が使用されています。製品によってはABS樹脂をブレンドさせて耐久性を保ちつつ価格を抑えたモデルもあります。ポリカーボネートは金属に比べて軽量で耐久性にも優れているので、ハードタイプのスーツケースによく用いられている素材です。特に耐衝撃性については、過酷な耐衝撃実験をクリアした強さがあります。
信頼性のあるドイツブランドで歴史もあるため、平均価格がそこそこ高そうなイメージがありますが、2~3万円で購入できる製品が多くあります。製造工程は詳しく知りませんが、純粋にこの価格設定は凄いなと思います。ブランド取得した衣川産業株式会社が価格調整に尽力しているのでしょうかね。ポリカーボネート製品がメインなので、軽量性・耐久性・価格面で強いスーツケースとなっています。
内装もしっかりしていてTSAロック標準搭載、多段階調節可能なキャリーハンドルなど、機能性も十分です。
ヘリテージは、後継機「ヘリテージⅡ」が登場しています。
ヘリテージ | ヘリテージⅡ | |
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トラベルセントリーID | 非搭載 | 背面のプレートに搭載 |
アンダーハンドル | 非装備 | 前面下部に装備 |
素材 | PC+ | PC+ABS |
トラベルセントリーIDとは、プレートに記載された12桁の固有番号(UID)のことです。このUIDを、予めトラベルセントリー社のページにて「持ち主のメールアドレスとともに無料登録」しておくと、ロストバーゲージの際に荷物が戻ってくる確率を上げてくれるサービスです。
プレートに記載されたUIDを見た第三者が通達をしてくれることが前提であり、必ず荷物が戻ってくるような仕組みではありません。
固有番号プレートは、ヘリテージⅡの場合、ボディ本体背面に記載されています。
類似サービス(ほぼ同じ?)として思い当たったのがOKOBANというサービスですが、こちらもトラベルセントリー社によるもので、わざわざサービスを分けた経緯は知りません。
バーマスのスーツケースにはハードタイプ、ソフトタイプがあります。ハードタイプでは「ヘリテージⅡ」が伝統のダブルリブを踏襲したモデルになります。機内持ち込みモデルから長期滞在大容量モデルまで、様々な容量サイズから選ぶことができます。価格も安く設定されているので購入しやすいかと思います。ソフトタイプは「DEGREE」が現役モデルでしたが、公式販売は終了しているようです。
伝統のダブルリブを踏襲。スタンダードにして標準機能を完璧に備えたスーツケース。衝撃が加わる角にコーナーパッドを装備、ケースの破損を防止。HINOMOTO製の静音キャスター(Lisof)、キャスターストッパーも完備。このシリーズはフレーム式、ファスナー式があり、ファスナー式のみUSBポートが2口付いているのでおすすめ。遺失物管理タグ(トラベルセントリーID)搭載。