スーツケースは開閉部分の工法タイプによって「フレーム式」「ファスナー式」の2つに分類されます。
フレーム式の特徴は、ワンタッチで「パチッ」と開閉できる点や、防犯性・気密性に優れているといった点が挙げられます。ファスナーで開閉するのが面倒に感じる人、中の貴重品をきちんと保護したい人向けです。フレーム式の構造としては弁当箱を連想したら分かりやすいかもしれませんね。
ファスナー式の特徴は「簡単に荷物が取り出せる」という点です。スーツケース全体を開かなくてもファスナーで少し開けた口から中の荷物を探すことができます。形状に余裕があるので、中の荷物を無理やり詰め込んでもある程度は大丈夫です。また、金属部分が少ないので「軽い」という特徴もあります。
ファスナーは日本ではチャックやジッパーという別の呼び名もありますね。いずれも同じものを指す言葉ですが、国や文化によってチャックやジッパーという呼び名が分かれているようです。当サイトではファスナーと統一して呼ばせていただきます。
スーツケースにはボディ素材によって「ハードスーツケース」「ソフトスーツケース」があります。
フレーム式とファスナー式の2種類があるのは、ハードスーツケースの方です。ソフトスーツケースの開閉部分はファスナー式だけです。ハードスーツケースはボディ素材の強度が高いため、フレーム工法によって開閉部分の防犯性や密閉性を高めることができます。
ソフトスーツケースを購入予定の方であればファスナー一択しかありませんが、ハードスーツケースにはフレーム式とファスナー式があるので購入時にはどちらが良いのか迷いますよね。フレーム式とファスナー式について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較しました。
利点 |
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欠点 |
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フレームは丈夫な金属で開閉部分をしっかり保護するため、防犯性・防水性・密閉性に優れているという特徴があります。中の荷物が盗難されないか気になる、雨に濡れたら困るという人はフレーム式が良いと思います。また、ワンタッチ式なので「パチッ」と一発でスーツケースを開閉することができます。パッキング(荷造り)の際、スーツケースを一周させて開閉しなければならないファスナーに比べ、ワンタッチ式のフレームは非常に楽です。重量はファスナーよりも重い傾向にあります。
利点 |
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欠点 |
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ファスナーは金属部分が少ないため、フレームよりも軽いという特徴があります。また、柔軟性があるので荷物をある程度押し込んでも大丈夫です。ファスナーはソフトスーツケースに標準的に使われていますが、軽量感を出したいハードスーツケースにも使われます。近年ではハードスーツケースの軽量化が進んでおり、ボディ素材の改良やファスナー使用によってハードスーツケースでもソフトスーツケース並みに軽い製品が出ています。軽量感や取り出しの手軽さがある反面、防犯性・防水性・密閉性はフレーム式に劣ります。
スーツケースの種類には、①ハードスーツケースかソフトスーツケースか、②フレーム開閉式かファスナー開閉式かがあります。スーツケースの種類による耐久性・防犯性・軽量感を簡単にまとめました。
ハード+フレーム式 | ハード+ファスナー式 | ソフト | |
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外観 |
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重量 | △ | ○ | ◎ |
耐久性 | ◎ | ◎ | ○ |
柔軟性 | △ | ○ | ◎ |
防犯性 | ◎ | ○ | △ |
耐水性 | ◎ | ○ | △ |
スーツケース選びは「防犯性・耐久性を求めるのか」または「旅の気軽さを求めるのか」のどちらかに大別できます。徹底的に防犯性・耐久性を追求するのであればフレーム開閉式のハードスーツケース、旅の気軽さを求めるのであればソフトスーツケースということになります。ファスナー開閉式のハードスーツケースはその中間といった立ち位置です。
ただ、防犯性といってもスーツケース自体を盗難されてしまっては意味がないため、そこまで差があるわけではありません。ハードスーツケースは「中の荷物が壊れないように保護したい」「急に雨が降ってきても慌てることがない」といった荷物の保護を重視したい人向けという感じです。